霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

経験してわかった、菩提寺の意義

2018年05月05日

5月に入り、木々の緑も輝き、薫風香る爽やかな季節となりましたね。
田んぼでは田植えも終わり稲の苗が元気に春の風に揺れています。
春の花も次々に咲きだし、ツバメもスズメも子育てで忙しそうです。
人も動物も、こうして親から子へと命がつながってつながって、続いていくのですね。

「お墓」はそうした命のつながりを改めて知ることのできる大切な場所...とも言えるのではないでしょうか。
そこで今回は中でも寺院墓地でお世話になる「菩提寺(ぼだいじ)」について、少しだけお話をしたいと思います。

最近はお寺様(菩提寺)とのお付き合いについてのご相談も多いですね。
私も祖父母に比べたら信仰心は深くなく、長い間、理屈でしか宗教というものをとらえていませんでした。

ただ私事で申し訳ありませんが先日葬儀があり、日頃お会いすることの少ない実家の菩提寺のご住職とお話しする事ができました。
ご住職はご子息に代替わりをされていてまだ40代の方でした。
当初は特別に思う事もありませんでしたが...葬儀が終わった時には本当にしみじみと「お寺があってよかった」と思うようになっていました。

その時の私は気持ちにぽっかりと大きな穴があいてしまった様で...それは自分でもどうしようもなく、まして家族や兄弟でも埋められるものではないと思われました。
さらに安らかに眠って欲しいと願うも、自分には何の力もなくただ祈るだけだったのも辛い事でした。saidan.jpg

ところが葬儀の始まる前からお寺様は私達遺族をとても気遣って下さり、また気づくといつも近くにお寺様はいらっしゃって...
式中もお経を聞きながら故人が安らかにすごしてくれる事だけを祈っていましたが、なぜか少しづつ気持ちが落ち着いてきました。
葬儀後の会食の時も、お寺様は穏やかに話されながらも気遣って下さっているのがよく判りました。
収骨中も、ふと目をやるとお寺様は私達を見守るようにずっとそこにいらっしゃいました。
私の中の大きな穴は埋まる事はありませんが、それでもそうした菩提寺の心遣いやお力で少し気持ちも和らいだように感じました。

また一番大きかったのは、理屈でなく、自然な思いで、故人が安らかにすごせると思えるようになった事です。
特別な事があったわけではないのですが、ただこうしたことは菩提寺以外には誰にもできない事かも知れないと思いました。

私見ですが、大切な人を失った時、その喪失感を埋める事は何をもってしても難しい事だと思うのですが、ただその供養を信頼をもってお願い出来る「菩提寺」という存在はかけがえのないものだと、しみじみ思ったのです。

全国の寺院墓地の資料を無料でお送りしています★

もしもドットネット コラムスタッフPROFILE

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

コラムスタッフ