霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

重陽(ちょうよう)の節句

2023年09月09日

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9/9は重陽の節句、別名、菊の節句とも呼ばれる五節句の一つです。
そもそも節句の起源は、中国の行事に由来します。
古代中国では、奇数は縁起の良い「陽数」とされ、中でも1~10の間で最大の陽数である9は最高に縁起が良いとされています。
陽の極が2つ重なることから「重陽」と呼び、たいへんめでたい日とされています。
旧暦の9月9日は、現在の10月中旬ごろにあたり、まさに菊が美しく咲く時期です。菊は邪気を払い長寿の効能があると信じられていました。菊を行事に用いたため、重陽の節句は別名「菊の節句」とも呼ばれています。重陽の節句では、菊の香りを移した「菊酒」を飲んで邪気を払い無病息災や長寿を願います。

五節句もそれぞれ形を変えながら現在も私たちの生活に溶け込んでいますが、重陽の節句だけは時の流れとともに影の薄い存在となってしまっているのが現状です。しかし「くんち」と名のつくお祭りは聞いたことがあるかもしれません。「日本三大くんち」である「長崎くんち」「唐津くんち」「博多おくんち」と聞けば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

この「くんち」の語源がこの重陽の節句の日付に由来し、お祭りの開催日を「九日(くんち)」「お九日(おくんち)」と呼んでいた九州地方で、祭りの名前として定着したという説があります。
重陽の節句は秋の節句でもあったため、秋の収穫を祝う九州地方の「くんち」を筆頭に、作物の収穫祭として形を変えながら全国各地で受け継がれています。

「節句」はお彼岸やお盆といった、仏教由来の行事とは異なり、季節の節目として大切にされてきた一種の神事です。
今一度、節句それぞれの意味をもう一度考えてみたいものです。

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正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

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