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葬儀の服装を考える中で知っておきたい数珠のこと

2015年04月01日
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葬儀時に身につける服装の中で数珠は、もともと珠を繰りながら念仏の数を数えるために用いられていたため、念珠とも呼ばれます。葬儀でも使う最も身近な法具ですが、どんな種類があり、どうやって使うべきなのか、意外と知られていないのではないでしょうか。

数珠の種類

数珠には大きく2つに分けて、宗派ごとに定められた正式念珠と、宗派を問わず使用できる略式念珠があります。正式念珠は煩悩の数を表す108個の珠をつなげたもので、宗派によって形が異なります。二重にして使われることが多く、本連数珠、二輪数珠とも呼ばれています。略式念珠は、持ちやすいように珠の数を減らしたもので、18~43個くらいの珠で作られています。こちらは一重のまま片手に掛けて使うため、片手念珠、一輪数珠と呼ばれます。ご自身の宗派の正式念珠を持つことが理想ですが、現在では略式念珠を選ぶ方も多く見られます。また、珠の大きさによって、男性用と女性用に分けられます。

数珠の価格

数珠の価格は千円台から十数万円のものまでさまざまです。価格を大きく左右するもののひとつが原材料の材質で、天然素材なのか否か、石なのか木なのか、その中でもどのランクのものかということに加え、細工の精巧さや国産であるかどうかでも変わってきます。ご自分の大切な法具として、良いものを長く使うのが理想的ですが、もちろん重要なのは値段よりも気持ちです。質や価格に納得でき、愛着が持てるものを選びましょう。

数珠の使い方

数珠の基本的な使い方として、次のことを覚えておきましょう。座っている時は、左手の手首にかけます。歩くときは、房がまっすぐ下に垂れるようにして左手で持ちます。長い数珠の場合は二重にします。焼香の時は、同様に房を真下に垂らし、親指以外の4本の指にかけ、親指で軽く押さえます。厳密には、宗派によって数珠の正しい持ち方や使い方が異なります。数珠を求めるお店やお寺などで聞いておくといいでしょう。

葬儀の服装における数珠のまとめ

数珠は、持っているだけで功徳があるとされています。また、持ち主の念がこもった分身であるため、人に貸したり、借りたりするべきではないといわれます。急な不幸でも慌てないよう、ご自分の数珠を用意しておきましょう。