霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

お墓に使われる石のお話②

2023年04月01日

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「お墓に使われる石のお話①」で墓石の耐久性についてお伝えしました。
今回は具体的な石材の種類についてお話します。

まず、お墓に利用される石材には「国産」と「海外産」があります。
海外産の石材に比べ国産の石材は高級とされ、価格が高くなるケースが多いですが、「お墓に使われる石のお話①」でお伝えしたとおり「国産=良質、海外産=粗悪」とは限らないのです。石材の値段は希少性や加工のコストが影響するため、生産量が多く、切り出しや加工費が安ければ、価格は安くなる傾向にあります。外国産の石材にも質が良いものはたくさんありますし、それが国産のものより安く売られていることもあります。
では国産を使うメリットはなんでしょうか?
それは長年墓石として使われてきた実績があるということです。お墓は長く使うことが大前提ですが、自然物である墓石は徐々に風化していきます。海外産の石材輸入が始まったのは1960年代です。海外産の石材が日本の風土でどれくらい耐えられるかは、実はまだわかっていないのです。そういった意味では実績のある国産が安心、とも言えます。

今回は国産の代表的な石材を紹介します。

◆庵治石(あじいし)
庵治石は香川県の庵治地方で採掘される花崗岩で、「花崗岩のダイヤモンド」と称され墓石の最高級品に分類されます。
庵治石は、結晶の粒子が小さいため、結晶の膨張・収縮率、水の浸透率が極めて低く、つまり水を吸わず風化に強いのが魅力です。また、黒雲母の中の鉄分が極めて少ないため変色しないのも大きな特徴です。

◆本小松石(ほんこまついし)
本小松石は、神奈川県真鶴町で採掘される安山岩です。
「西の横綱」と呼ばれる「庵治石」と並んで「東の横綱」と呼ばれるほど歴史とブランドのある石です。
石の表面を研磨することで、淡い緑がかった灰色の輝く美しい石肌があらわれますが、年月の経過による色変わりを楽しむことができます。
本小松ならではの風合いは根強い人気があります。

◆大島石(おおしまいし)
大島石は、愛媛県今治市の離島、しまなみ街道の走る大島で産出される花崗岩です。
青みがかった目の細かい石肌が美しい石材ですが、年月を重ねる毎に青みが強く感じられ、深みのある美しさが増していく点が特徴です。
耐久性に優れ、経年劣化もしづらく、さらに吸水率が低いため、湿度の高い日本の気候にあった石材といえるでしょう。

石材は自然が作り出す一点もの。世の中に1つとして同じものは存在しません。
そのため、例えば霊園見学で色味や模様が気に入って、それと同じ石材を使ってお墓を建てたとしても、まったく同じものになることはありません。
石材を選ぶ際はその点を十分に理解しておく必要があります。

もしもドットネット コラムスタッフPROFILE

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

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