霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

お墓にはかならず家紋が必要?

2012年05月05日

ご自分の家紋を知っていますか?

実は私はダンナさんの家の家紋を知りません...(笑)


昔は刀や甲冑等の武具やタンス、長持等の家具につけた家紋ですが、現在の生活ではほとんど使う機会もなく、お葬式やお墓くらいでしかお目にかからないですね。

以前、母方の祖母のお葬式のとき、母と叔母2人の着物の家紋が違い、「あれ!?」となったこともあります。(全員が実家の紋だと主張しているにも関わらずです!)幸いにも誰もこだわりを持っていなかったので、「まあ、いいか」と事なきを得た(?)わけですが...。


そのように、存在感を薄めつつある家紋ですが、そもそも家紋とは何なのでしょうか?


家紋の基本的なパターンは400種ほどですが、基本パターンからの変形も多く、家紋帳に載っているものだけでも6,000種に及ぶと言われています。本家の家紋を少しアレンジして分家の家紋にする、ということもよくあったようです。


戦国時代には合戦のときに敵味方を識別する目印として大いに役立ったようですが、江戸時代になり世の中が落着いてくると、血統や家柄の象徴としての意味合いが強くなりました。

時を経て一昔前の嫁入りには、その出自を明らかにする為にも風呂敷・袱紗にまで実家の家紋をつけたそうですが、さすがに今では羽織や紋付など正装時の着物だけということも多くなっています。


さて、話をお墓に戻すと、お墓に関してはまだまだ家紋を彫刻することが多いようですが、最近は両家墓(結婚した両家が一緒のお墓に入る)も増えていますし、墓石の正面にも家名を彫刻しないことも珍しくなくなりました。

家紋をつけるかどうかは自由ですから、家の象徴である家紋を彫刻するお墓は次第に少なくなっていくのかもしれませんね。

 


chorakuji_hachioji.jpg徳川家と同じ"葵の家紋"を許された由緒ある寺院 長楽寺(東京都八王子市)

 

もしもドットネット コラムスタッフPROFILE

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

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