霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

「塔婆供養」

2020年05月23日

先日、お客様より、「法事のさいに親戚から塔婆をお願いしますと言われましたが「塔婆」ってなぜ立てるのでしょうか?どんな意味があるのでしょうか?」とのお問合せをいただきました。
お墓参りのさいに見かける塔婆、でもなぜ立てるのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
お彼岸やお盆、法事、命日などには戒名などを書いた細長い板を墓石の後ろに立てますね。
これを塔婆供養(とうばくよう)と言います。

細い板を「塔婆」または「卒塔婆」といい、古代インドのサンスクリット語で「塔」と言う意味の『ストゥーパー』が『ソトウバ(卒塔婆)』→『トウバ(塔婆)』となったものです。

インドでは、お釈迦様の遺骨は8つの国に分骨され、お弟子さん達がそれぞれ「塔」を建て供養したのが始まりだと伝えられ、その「塔」がのちに変化して五輪塔(ごりんとう)になり、さらに簡略化され、今日の卒塔婆になりました。卒塔婆に五つの刻みがあるのはこの五輪を表しているんですね。

では、私達がなぜ塔婆を立てるのかというと、仏教では宇宙の全てが「地・水・火・風・空」の5つの元素で出来ていると考えています。つまり人が亡くなると元素に還るのです。

ところが一方で、体は滅びてしまっても生命だけは宇宙の中で離合を繰り返して(生まれ変わって)永遠に生き続けるのだとも説いています。ですから生きていた間の苦しみや悲しみもそのまま次の世まで持ち越さなくてはならないのです。

そこで遺された私達は、塔婆を立てお経をあげていただく事によって、亡くなった人たちが苦しみや悲しみから解放され成仏できますようにと祈るのです。

家族や大切な人が、せめて次の世では幸せな所に生まれ変わって欲しいと願って立てる、「塔婆供養」とはそういう想いがいっぱい詰まった「プレゼント」をお贈りするようなものではないでしょうか。

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高浜 加代子

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

高浜 加代子