霊園・仏事の知っ得コラム

もしもスタッフ連載

お線香の最新事情

2021年01月23日

お墓参りやお仏壇に欠かすことができないお線香。
贈り物としても人気がありますよね。

日ごろ、当たり前のように焚いているお線香ですが「お線香を焚く」意味を考えたことがありますか。

元々、火や煙は浄化効果のある神聖なものとして扱われてきました。
お寺・お墓・仏壇で焚く事によって、周囲を清浄にして、私たちの心を静め、清めてくれると言われます。
仏教に限らず、キリスト教やイスラム教でも様々な宗教的な儀式の際にはお香が焚かれるのにもそのようないわれがあるからなのです。

お線香を焚くことで立ち上る香には仏様や故人にお参りに来た方の存在を知らせる役割があります。また、天に昇っていく煙には願いや思いを仏様や故人に届けてくれる意味があるとされています。
また、あるお経には、仏様の食べ物はお香であると記されており、四十九日までの期間に霊がこの世とあの世の間を彷徨い歩き、お香の香気を食べることであの世へ向かうための身体が形成されるというのです。
そのため、四十九日までのお墓参りでお線香を焚くことは、故人があの世に逝くまでお腹を空かせないよう冥福を祈る、大切な供物であると言われています。

では、お香とお線香の違いは何でしょう?
多くの人のイメージはお香は香りを楽しむもの、お線香は仏事の時に使うもの、といったところでしょうか。
実はお香という大きな分類の中の、細い棒状のものを線香と呼びます。そのため、作り方や使用する原料は同じ。香料の含有量などの違いはあるようですが、基本的には同じものと捉えて良さそうです。

そう考えると、日ごろ使うお線香にももっといろいろな種類があってもいいのかもしれません。
従来のお線香とは異なるものはないのかな、と調べてみると、和菓子のような色形のもの、リボンや水引にもなる紐状のお線香、火を使わないお線香、お手紙が書ける紙のお香など、様々な形や種類があることがわかりました。
火を使わない線香も、本来の趣旨には反しても、昨今の住宅事情や高齢化などの背景を考えると、世の中の流れとしては受け入れ易くなっているのかもしれませんね。

香りに関しても白檀や伽羅といった従来のもの以外にも果物や花、コーヒー、緑茶、いちごみるく、ミルキーの香りなど、多種多様な香りのお線香が販売されています。

その反面で従来の白檀や伽羅、沈香といった香木を使用しているお線香は値上がりしているのが現状です。
これらの香木のほとんどを輸入しているため、値上がりの背景には原油高などが影響しているとのこと。
また、沈香に関しては平成16年にワシントン条約で保護対象となったため希少性が高まっていることも一因と言われています。
こういった従来のお線香が貴重品になる時がいずれ訪れるかもしれません。

仏事に関しても時代の流れとともに変わっていくこともありますが、新しいものが生み出される背景には、伝統を守っていくことにも繋がるのかもしれませんね。

profile
高浜 加代子

正しいお墓の知識をもって適切なアドバイスを行なうスキルを証明する「お墓ディレクター」資格を保持。
数多くの霊園に実際に足を運び、霊園だけでなく周辺環境の様子など多角的なアドバイスを心がけながら電話やメールでのご相談にお答えしています。

高浜 加代子