東京都で火葬場新設が話題に。もしもの時、火葬場はどのように選ばれるのか

近年、東京都では火葬料金の上昇や将来的な火葬能力不足が課題となっています。こうした状況を受け、東京都と23区は公営火葬場の新設について本格的な検討を始めたことがニュースになりました。
では、実際にご家族が亡くなった場合、火葬場はどのように選ばれるのでしょうか。
東京都でなぜ火葬場新設が検討されているのか
東京都の調査によると、今後は高齢化の進行により死亡者数が増加し、2065年頃には年間約20万人に達する見込みです。現在と同程度の運営を続けた場合、2035年頃には火葬需要が供給能力を上回る可能性が指摘されています。
また、23区では火葬の約8割を民間火葬場が担っており、公営施設は江戸川区の東京都瑞江葬儀所と大田区の臨海斎場など限られています。
そこで東京都と特別区長会は、
●公営の小規模火葬場の新設
●火葬能力の増強
●火葬料金の安定化
●将来の需要増への対応
を目的とした検討を進めています。
火葬場は遺族が自由に選ぶの?
「火葬場は自分で予約するのですか」と尋ねられることがありますが、実際にはほとんどの場合、葬儀社が手続きを代行します。
ご逝去後の流れは一般的に、
1.医師から死亡診断書を受け取る
2.死亡届を提出する
3.火葬許可証を取得する
4.葬儀社が火葬場を予約する
5.火葬を行う
という順序になります。
火葬場は何を基準に選ばれるのか
① 空き状況
実は最も大きな要素が空き状況です。
死亡者数が増える冬季には予約が集中し、火葬まで数日から1週間以上待つこともあります。東京都も冬季を中心とした火葬能力不足を課題として挙げています。
そのため、
●第一希望の火葬場が空いていない
●希望日程で予約できない
場合は、別の火葬場を利用することがあります。
② 自宅や式場からの距離
故人様の住所や安置場所から近い火葬場が選ばれることが一般的です。
例えば、
●新宿区周辺なら落合斎場
●渋谷区周辺なら代々幡斎場
●品川区周辺なら桐ヶ谷斎場
●葛飾区周辺なら四ツ木斎場
などが利用されることが多くなります。
移動時間の短縮は高齢の参列者の負担軽減にもつながります。
③ 費用
火葬場によって料金は異なります。
例えば、府中の森市民聖苑は府中市民(故人もしくは申請者)が、立川聖苑は立川市・昭島市・国立市が、火葬料金が無料となります。
お住まいの地域によって料金差が大きいため多少の待ち日程があっても、無料になる火葬用を使用するケースもありますが、混雑時には1週間以上の待機が発生することあります。
その間の安置料などを考えると、「どこで火葬するか」よりも「いつ火葬できるか」が優先されるケースも少なくありません。
まとめ
ご家族が亡くなった際、火葬場は「どこでも自由に選べる」というよりも、
●空き状況
●距離
●費用
●葬儀の形式
を総合的に考慮して決定されるのが実情です。
東京都で進められている火葬場新設の議論は、単なる施設整備の問題ではありません。今後増加する火葬需要に対応し、ご遺族が安心して故人を送り出せる環境を整えるための取り組みといえるでしょう。
万が一の時に慌てないためにも、「近隣にどの火葬場があるのか」「公営と民営でどのような違いがあるのか」を知っておくことが、ご家族にとって大きな安心につながります。






